発注者とのコミュニケーションの仕方に悩んでいませんか?
私はテストライティングよりも緊張して、発注者へのメッセージを作成しています。
質問や確認依頼など、チャットでお願いすることが多く、失礼がないか毎回ひやひやします。
お金が発生しない仕事のように感じてメンドウに感じるときも。

- 相手の反応がリアルにわかるチャットは、Webライター訓練場なのかも
- うまくコミュニケーションすれば、継続率も上がるかも…
そんな淡い期待をもとに、よりよい書き方を日々考えています。
この記事では
- チャットの特徴
- Webライタースキル発動、チャットのメッセージの書き方
- チャットのマナー
を中心にお伝えします。
Webライターとしてのスキルをフルに活用し、スキルの向上も一緒にはかりましょう。
実例を交えてお話ししますので、参考になれば幸いです。
チャットの特徴
チャットとは気楽で簡潔に済ませられる、感情的なリアクションも可能なコミュニケーションツールです。メールよりもLINEに似ています。
会話に近いコミュニケーションがとれる
基本、堅苦しい定型的な挨拶は不要。
要件のみをリアルタイムで会話のようにやりとりし、感情を伝えることもできます。
文字だけだと堅苦しい文章は近寄りがたい印象を受けるので、少し砕けたカジュアルな文章がおすすめです。
絵文字や「!」など記号を使用すると気持ちが伝わりやすいです。
メッセージを送る場所が分類されている
メッセージを送る場合には、内容がふさわしい場所での送信が必要です。
特定の個人に直接メッセージを送るダイレクトメッセージ機能や、話題や担当グループごとなどに分類され情報共有できるグループチャットもあります。
個人情報など共有したくない情報は、ダイレクトメッセージを使用します。
話題がチャットルームごとに決められている場合は、関係があるチャットルームの選択が必要です。
送る場所にそぐわない内容を送信すると、信頼を失います。
文章なしで感情が伝わるスタンプ機能がある
スタンプとは、チャットで文字の変わりに送る画像のことです。
視覚的に感情を伝えることもできます。
とくにグループチャットは複数人のメンバーがいるので、メッセージを読んだことだけ伝えたい場合は、スタンプ機能の使用がおすすめです。
メッセージを読んだことを相手が確認でき、他の重要なメッセージが埋もれないので、積極的に利用しましょう。
見返すための機能がある
チャットは話題や担当部署などできちんと分類されているので、過去の内容が見返しやすい特長があります。
チャットには、あとからメッセージを確認するのに便利な検索やスレッド機能があります。
スレッド機能は、関連する内容のメッセージを投稿元にぶら下げるような形でまとめられる機能のことです。
グループチャットでやり取りが続くまたは長文になる場合は、スレッド機能の使用がおすすめです。関連メッセージをまとめて確認しやすくなります。

わからないことがあれば、検索機能で自分以外のチャットを確認するのもアリ!
チャットのメッセージでWebライタースキルを駆使
チャットでの会話は、Webライタースキルを発揮させましょう。
使い方次第では、ライティングスキルの向上も見込めます。
ポイントは以下のとおりです。
- トンマナに気を付ける
- 書く前に目的や疑問点などを整理する
- 相手のニーズを考える
- 先回りして対応する
- 分かりやすく伝わりやすい文章にする
- 結論から書く
- 冗長な表現にしない
- 視覚的な読みやすいさを重視する
- 箇条書きを使って伝わりやすく
- 改行や記号をうまく使って読みやすく
- 誤字脱字に気を付ける
- 絶えず改善する
トンマナに気を付ける
基本は敬語で、ビジネスの場にあった言葉遣いが必須。
定型文は不要といわれています。
ただし発注者はお客様なので、私は定型文の一部を使用しています。
冒頭に感謝の言葉や「お世話になっております。」、お願いをするときにはクッション言葉などの使用がおすすめです。
そのうえで絵文字や記号を使っての感情やカジュアルな表現が多いチャットルームなら使用し、カジュアルな表現が使えない場所なら、使用しません。
周りがどんな対応をしているのか確認して、周りとあわせましょう。
クッション言葉をはじめ、よく使用する言葉をお伝えします。
お願いする時に便利!クッション言葉
- お手数をおかけしますが
- ご面倒をおかけしますが
- お忙しいところ恐れ入ります
- こちらの都合で恐縮ですが
- 無理なお願いをして申し訳ありませんが
確認したことを伝えたいとき
- 承知しました
- かしこまりました
※「了解しました。」は、目上の人に失礼な表現なので、使用しない方が無難
お詫びをしたいとき
- 申し訳ございません
- ご迷惑をおかけいたしました
お礼を伝えたいとき
お礼を伝えたい内容を文の前半に入れて、具体的にお礼を伝えます。
- ご連絡いただきありがとうございます。
- 早速の質問のご回答、とても助かりました。ありがとうございます。
書く前に目的や要件・疑問点を整理する
メッセージを書く前に情報の整理が必要です。
まずメッセージを送信する相手に、どんな行動を期待するのか目的をはっきりさせます。
例えば、以下のような目的があります。
はっきりさせれば、相手が分かりやすく行動がしやすくなります。
次にメッセージの内容をあいまいにしないで具体的に提示します。あいまいと具体的、違いは以下のとおりです。
あいまい例:WordPressが分からない
具体的例:WordPressにパスワードを入力したものの、ログインできない
このように相手がはっきりわかるぐらいまで表現することが、具体的な情報の提示です。
理由や背景も説明すれば、より分かりやすく納得させやすいので、整理しておきましょう。
たとえば締め切りをのばしてほしい場合は、
目的:1日締め切りをのばしてほしい
理由:あと1日あれば作成完了できる
背景:子どもが熱を出してしまって、作業に取り掛かれなかった。今は作業できる。
伝えたい内容に漏れがないか、すべて書き出すなどして一旦整理します。
関連事項に漏れがあると、何度もやりとりが必要になるので、面倒でも洗い出しをおすすめします。
質問だけに限った話ではありません。たとえば提案をおこなう場合にも、付随する理由や背景を簡潔に伝える必要があります。
相手のニーズを読む
読む相手のニーズを考えることが必要です。発注者は以下のようなことは嫌がるはず。
- コミュニケーションに不必要な時間をかける
- 何度もやり取りが必要
- 無駄に長文や分かりづらい文章を読む
- 発注者の考え方に沿わないで思い込みで仕事をする
無駄なやりとりやコミュニケーションを減らすためには、相手の行動を読み、先回りして対応する必要があります。
先回りしなかった場合とした場合の違いの例を挙げます。
このように、先回りしたら、やり取りが減ります。
先回りするには、メッセージ作成前に必要な情報が何なのかを考えなくてはなりません。
質問は、発注者の考え方に沿わないで思い込みで仕事をしないために必要です。
質問された場合は相手の質問に全て答えるのはもちろん、相手の知りたいことを先回りして考えて整理したうえでメッセ―ジを作ります。
質問する場合は、相手が答えやすい質問にすることがポイントです。
まず「何が」「どのように」わからないのを具体的に整理して、言語化します。
「例えば「WordPressにパスワードを入力したもののログインできない、他にログイン方法があるかどうかわからない」といった形です。
質問内容について自分であらかじめ考えてみて、どうしたらよいのか仮説を立ててから質問するのがおすすめ。
例えば「WordPressにパスワードを入力したもののログインできない。現在の『××××』ではなく違うパスワードならログインできるのではないか。」といった形です。
仮説が立てられなかったらネットなどであらかじめ調べてみて、検討をつけてみましょう。
具体的に「これでよいのか」と質問する方が、相手が答えやすくなります。
なぜそうなったのか理由や背景も説明できれば、より相手が質問に答えやすくなります。
分かりやすく伝わりやすい文章にする
分かりづらい文章や冗長な文章だと、相手が読み間違えたり、読み落としたりします。相手にスルーされる場合さえあります。私は何度か無反応なことがありました。
ライティングで学んでいる、伝わりやすい技術をフルに使いましょう。
例えば以下の方法が挙げられます。
- 結論から述べる
- 冗長表現を避ける
- 1文を短くする(40字以内程度)
- 1文1メッセージ
メッセージの冒頭で簡潔に結論を伝えます。 結論の詳細や理由などについては結論の後にすると、相手が内容を理解しやすくなります。もちろん不必要な文章は極力削ります。
簡潔な文章ができるPREP法の使用もおすすめです。
※PREP法
視覚的な読みやすさを意識する
視覚的な読みやすさは、以下のような技術を駆使します。
- 【】(すみかっこ)
- 改行
- 区切り線(ーーー)
- 箇条書き、ナンバリング
- スクリーンショット(スクショ)
- 誤字脱字のチェック
すみかっこはの使用は、例えば【納品確認お願いします】など、1つの話題の前に見出しのように使用すると相手に伝わりやすいです。
また話が変わるときには、改行や区切り線を使用すると、読みやすさアップ。
質問が何個もあるなど伝えたいことが複数ある場合、箇条書きやナンバリングにするのがおすすめです。読みやすく、相手の読み漏れも防げます。
質問されて回答する場合は、引用機能や「>」(引用符)を活用するとよいでしょう。
【質問です】
いつも丁寧なご対応ありがとうございます。
現在着手している○○の件で、2点質問があります。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご教示よろしくお願いいたします。
ーーーーー
①いただいた構成について、見出し2「校正の作り方」の、「校正」は「構成」の方がテーマに沿っていると思いますが、いかがでしょうか?
ーーーーー
②見出し○○の参考記事のURL○○が開けませんでした。
同じサイトで同様の記事をみつけましたので、以下の記事を参考にしてよろしいでしょうか。
https://○○
ーーーーーー
言葉で説明しづらかったら、現物を直接見せたほうが相手は分かりやすいで、スクリーンショットを使ってもOKです。
スクリーンショット(スクショ)とは、パソコン画面を撮影することです。私の使用しているのはWindowsで、「PrintScreen」キーでできます。
スクショについては詳しくはこちらをご覧ください。
Windowsでスクリーンショットを撮る方法【PC初心者向け】
絶えず改善する
チャットは他のメンバーの使用している様子がよく見えるので、他のメンバーのよいところをパクることが簡単です。
先輩たちのメッセージのいいところを真似をして、よい表現をストックしておくとよいでしょう。
質問がスルーされてしまったなど、失敗した場合は改善が必要です。
読みづらかったのか、質問内容が悪かったのか、発注者との方向性とずれてしまったのか、分析をしましょう。
はじめはコミュニケーションをとるのが苦手でも、慣れてくるとやり方が分かってきますので、改善しながらやり続けるのがポイント。
またコミュニケーションをとり続けていれば、発注者や相手の考えている方向性が分かってくるはず。
やり続けていけば、最初は気が付かなかった先回りの方法も徐々にわかってきます。
読み手からの返信や反応というフィードバックがある状態、しかも先輩のやり取りも見放題。
これを自分のスキルや信用性アップのために利用しない手はありません。
覚えておきたいチャットマナー
チャットマナーについて、気を付けておきたい点を説明します。
- ルールを守る
- 早めの返信や反応を心がける
- メッセージを送る相手を確認し指定する
- プライバシーなど情報漏洩に注意
- 要件を簡潔にまとめる
チャットのルールを守る
チャットのマニュアルやルールが定められている場合は、従うのが鉄則。
さらに相手が従っている規則やルールも守るとよいでしょう。
例えば発注者が企業の場合、緊急性が高くない限り、勤務時間外にメッセージを送ることは避けた方が無難です。
時間外に送ると、相手に余計な気遣いと圧迫感を与えます。※時間外だと通知されない場合もあります。
どうしても時間外に送る場合は、「お休みのところ申し訳ありません」などお詫びのメッセージをそえるとよいでしょう。
早めの返信を心がける
メッセージが来たら早めに返信や対応するのがおすすめ。
チャットツールを何度も見てメッセージが届いてないか確認しなくても、通知機能が設定をすればメールなどでメッセージがあることを知らせてくれます。
返信に時間がかかりそうな場合には、メッセージを確認したことの連絡だけでも行うと、送ってきた相手を不安にさせません。
スタンプ機能を使ってまずはメッセージを見たことを伝えることもできます。
素早い返信や反応は、信頼感を向上させます。
まずはメッセージを確認したこと、いつまでに返事をするかを伝えるのがベストです。
<例文>
ご連絡ありがとうございます。
出先にいるので、すぐに確認することができません。
明日の午前10時までに内容を確認し、回答いたします。
よろしくお願いいたします。
チャットの送信先を確認する
メッセージを送信するチャットの場所が間違っていないかの確認は必須です。
発信先を間違えてしまうと、場合によっては情報漏洩になります。
グループチャットの場合は、返信先や宛先を指定するのがおすすめ。
送信相手に「To」や「@」で相手を指定します。
誰にメッセージを送ったかが分かるので、他のメンバーの手間を減らすことができます。
プライバシーの保護など情報漏洩に気を付ける
違う発注者で同じチャットツールを使用している場合は特に注意。送信先を間違えれば、情報漏洩です。
個人情報など、他のメンバーに共有したくない情報の送信は、ダイレクトメッセージを使用します。
グループチャットで送信してもよい情報なのか、確認の上送信しましょう。
要件を簡潔に伝える
見落としがないように、対応してもらいやすくするためには、簡潔な文章にすることです。
結論を最初に伝え、読みやすく分かりやすいメッセージ作成を心がけましょう。
NGチャットマナー
チャットでやってはいけないマナーは、以下のとおりです。
- メッセージを無視する
- 不必要な長文や話をする
- 相手に即レスを求める
- 一方的な文章や冷たい印象の文章
チャットのメッセージは無視しない
メッセージを受信したら、必ず返信やスタンプの送信をします。質問されて回答する場合は、引用機能や「>」(引用符)を活用すると便利で相手が分かりやすいです。
必ず質問されたことには、すべて回答します。回答しないと、何度もやり取りが必要になります。
質問して回答をもらった場合など、相手に何かしてもらった場合は必ずお礼のメッセージを作成しましょう。
チャットで不必要な長文や話をする
グループ内で必要以上の長文や関係のないメッセージを送らないようにしましょう。
長文だと、内容が見落とされるリスクが上がります。
不必要な話は、関係のないメンバーにとって業務に差し障りが出たり、過去の内容を見返すときに見たい情報がなかなか見つからず不便になったりします。
やりとりが何度も続く場合には、スレッドの利用がおすすめです。
相手にチャットでの早急な対応を求めない
自分にはなるべく早い対応を心がけ、相手には即レスを求めないよう余裕をもってメッセージを送りましょう。
どうしても決められた時間までに返信が欲しい場合は、いつまでに返信が必要なのか日時を指定し、理由を明記するのをおすすめします。
<至急で返信がほしいときの例>
○○のため、恐れ入りますが、●月〇日〇時までにご回答をお願いいたします。
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご対応をお願いします。
一方的な文章や冷たい印象の文章なら工夫してみる
チャットはコミュニケーションツールです。相手がいるので成り立っています。
自分の考えなどを押し付けず、一方的なメッセージは送らない方が印象が良くなります。
たとえ相手が約束を破るといった非があったとしても、一方的に責め立てるようなメッセージを送ってはいけません。
発注者に責め立てるメッセージを送ると、仕事の継続がなくなる可能性もあるからです。
もし送ってくれるはずの文書が手元に届かなかったら、私ならたとえば以下のようなメッセージを送ります。
<例>
資料を見つけることができませんでした。申し訳ありませんが、再度送ってください。
メッセージが文字だけだと圧迫感があり、冷たい印象を持たれがちです。
丁寧すぎるとさらに圧迫感を与えてしまいます。絵文字や記号を使って感情表現をしてみたり、カジュアルな表現にしてみたりが可能ならば、工夫してみましょう。
感情表現する方法は、相手に感謝の気持ちを伝えるといったことでOK。
相手の立場になって考え、冷たい印象を持たれないか、メッセージを送る前にチェックしてみてください。
まとめ
チャットは会話に近いコミュニケーションツールで、マナーを守りつつ使用します。
メッセージは文章なので、Webライターとしてのスキルを活かしつつ、フィードバックもあるのでWebライター年のスキルアップのために活用するのがおすすめ。
- トンマナに気を付ける
- 書く前に目的や疑問点などを整理する
- 相手のニーズを考える
- 分かりやすく伝わりやすい文章
- 視覚的な読みやすいさを重視する
- 絶えず改善する
もしさらにチャットの文章について知りたいのなら、以下の本がおすすめです。